死海文書の研究
死海文書の研究 H・シャンクス 〔編〕 高橋晶子・河合一充 〔訳〕 池田裕 〔監修〕 知的ロマンとスリルに満ちた聖書と死海文書の世界が身近に。死海文書の最新の研究に基づき、各分野の一流の学者12人が一般向けに書き下ろした信頼のおける教養書。 20世紀最大の考古学的発見・死海文書は、1947年死海の辺で発見された約2000年以上前の宗教団体の蔵書で、聖書や宗派の古文書を含む。 出土文書は、欧米で大反響を及ぼし、一般にも多大の関心を呼んでいる。なぜなら、聖書の理解やキリスト教、ユダヤ教の起源にも新しい光を投じるからだ。 本書は最新の研究に基づき、しかも一流の学者たちが一般向けに書き下ろしたもので、日本人の死海文書理解の入門書として信頼でき、かつ読んで知的興味をそそられる。 ――目次―― 概観――洞穴と学者たち ハーシェル・シャンクス 一 発見 第一章 巻物の発見 ハリー・トマス・フランク 第二章 死海文書の歴史的状況 フランク・ムーア・クロス 二 クムラン・グループとは 第三章 死海文書の集団はサドカイ派から生まれた ローレンス・H・シフマン 第四章 死海文書の人々−エッセネ派かサドカイ派か ジェームス・C・ヴァンダーカム 第五章 「最初の死海文書」 五〇年早くエジプトで発見 ラファエル・レヴィー 第六章 エッセネ派の起源 パレスティナかバビロニアか ハーシェル・シャンクス 三 神殿の巻物 第七章 「神殿の巻物」−最長の死海文書 イガエル・ヤディン 第八章 「神殿の巻物」にみる幻の神殿 マーゲン・ブロシ 第九章 「神殿の巻物」獲得までの裏舞台 ハーシェル・シャンクス 第一〇章 「神殿の巻物」二五〇〇年間の眠り ハートムート・ステグマン 四 死海文書と聖書 第一一章 ヘブライ語聖書のテキストの背後にあるテキスト フランク・ムーア・クロス 第一二章 死海洞穴からの洞察 フランク・ムーア・クロス 第一三章 神の子らが人の娘たちと戯れたとき ロナルド・S・ヘンデル 五 死海文書とキリスト教 第一四章 死海文書とキリスト教 ジェームス・C・ヴァンダーカム 第一五章 ルカ福音書の幼年物語と死海文書 ハーシェル・シャンクス 第一六章 洗礼者ヨハネはエッセネ派か オットー・ベッツ 六 死海文書とラビ・ユダヤ教 第一七章 新たに判明したパリサイ派の像 ローレンス・H・シフマン 七 銅の巻物 第一八章 銅の巻物の謎 P・カイル・マカーター・ジュニア 八 死海文書の復元 第一九章 死海文書断片をつなぎあわせる ハートムート・ステグマン 九 論争 第二〇章 死海文書編集責任者ストラグネルのインタヴュー アヴィ・カッツマン 第二一章 死海文書にまつわる沈黙と反セム主義 ハーシェル・シャンクス 第二二章 ヴァチカンは死海文書研究を抑圧しているか ハーシェル・シャンクス 死海文書のすすめ 池田裕 注記 執筆者紹介 索引 訳者あとがき