テロリズムとはこう戦え

SBK-060 [ISBN4-89586-131-7]
1,540円(税140円)

DETAIL

 テロリズムとはこう戦え
 ビニヤミン・ネタニヤフ
 〔著〕
 落合信彦〔監修〕  高城恭子〔訳〕


 ネタニヤフ・イスラエル新首相は警告する。
 “中東発・国際テロリズムを防げ!”
 ――これがテロ対策の解答だ!


 落合信彦・推薦「今日の世界の指導者の中でもテロリズムと現場で戦った経験のあるのは恐らくネタニヤフだけであろう。それだけにテロを憎み、テロの恐ろしさを身にしみて知る彼が記した本書は説得力がある」

●2001年9月25日(火)産経新聞「産経抄」より転載

 二十四日付小紙「主張」でもお伝えしたが、テロとたたかう軍事行動をテロと同じレベルの“暴力”や“報復”ととる論調が日本には少なくない。「暴力には暴力を、では果てしない報復合戦になる」などというように…。

▼多数の日本人が犠牲に なり、日本自身もテロの被害者であり、当事者であるのに、なぜこのようなテロリストを許してしまう論理がまかり通るのか。これもまた「日本が平和でありさえすればよい」という戦後民主主義の落とし子なのかもしれない。

▼そんななか、イスラエルの元首相ベンヤミン・ネタニヤフ氏が六年前に書いた『テロリズムとはこう戦え』(ミルトス刊)を読んで、教えられた。イスラエルの強硬な反テロ論者という立場を割り引いても、国際テロリズムの現場でたたかった対策が示されていたからである。

▼同氏はテロ行為にそなえる十カ条を次のようにあげていた。(1)テロ国家に核技術を提供する国に制裁を加える (2)テロ国家に外交的・経済的・軍事的制裁を加える (3)テロリストのエンクレーブ(飛び地)を制圧する (4)西欧におけるテロ政権とテロ組織の資産を凍結する。

▼(5)情報を交換する (6)テロをあおる組織の監視と対テロ行動の規模を拡大できるように法を改正し、定期的にそれを見直す (7)テロリストを積極的に追跡する (8)テロリストの囚人を釈放しない (9)テロリズムと戦う特殊部隊を養成する (10)一般大衆を教育する…。

▼急ぎ足で個条書きしかご紹介できなかったが、ここにはテロを憎み、テロの恐ろしさを身にしみて知る人が語る説得力がある。しかし日本の世論の流れは、どうやら一国平和主義に向かっているらしい。平和は願うものでなく、創るものであるはずなのに。

――目次――

まえがき――――落合信彦
はじめに

第1章  はびこる国内テロ

  テロリズムとは何か
  テロリズムの自己矛盾比
  アメリカのテロは今後どうなるか
  米国の新しい極右勢力
  第一の防御策−民主主義の精神」
  純第二の防御策−「作戦」

第2章  市民の自由にかかわる問題

  二種類の対テロ戦略
  市民の自由とのジレンマ
  積極的対テロ行動に踏み切る時
  地下鉄サリン事件での日本の対応
  カナダとアメリカの場合
  湾岸戦争時のテロ防止策
  テロリストの権利まで保障するアメリカ
  市民の自由はどこまで認められるべきか
  保安当局をコントロールする西欧諸国
  言論の自由は無制限ではない

第3章  1980年代――国際デロに対する勝利

  国際テロの性格と生いたち
  旧ソ連が育てた国際テロ組織
  PL0の歴史
  テロ支援国に広がったPLO
  対テロリズム研究機関「ヨナタン研究所」
  国際テロに勝つには
  シュルツの積極的対テロ政策
  断固とテロに対抗したTWAハイジャック事件
  国際テロリズムに打撃を与えた80年代

第4章  1990年代――武装イスラム勢力の台頭

  テロはなくならない
  不徹底だった湾岸戦争後の措置
  国際テロを支援するイラン
  スンニー派勢力を目覚めさせたアフガン戦争
  西欧に対する憎しみの歴史
  汎アラブ主義とイスラム原理主義
  アラブ支配者に敵対したイスラム原理主義
  西欧に浸透するイスラム・テロ組織
  イスラム・テロが増大するトルコ
  武装イスラムの世界貿易センター爆破
  「アメリカのジハド」
  国際テロ拠点として都合のよいアメリカ

第5章  ガザ・シンドローム

  アラブで生まれた二つの対イスラエル論
  テロ基地ガザからイスラエルは撤退
  PL0の本心は変わっていない
  テロ活動を取締れないオスロ合意のとりきめ
  アラファトのオスロ合意違反
  イスラエル政府の犯したあやまち
  ガザにできた自由テロ地帯
  和平はアラファトの戦術だ
  テロ小休止は戦術のうち
  PLOはハマスと共同戦線をもくろむ
  ガザはイスラム・テロの国際センターとなった

第6章  恐るべき核テロリズム

  イランは数年後に核兵器を保有する
  イランの石油よりも強力な武器
  危険な原理主義思想
  イスラム原理主義者に核兵器を持たせるな

第7章  対策

  脅威の本質を知り、断固と行動せよ
  テロ対策の提言

原注
訳者あとがき

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