イスラエル・フィル誕生物語
イスラエル・フィル誕生物語 牛山剛 〔著〕 深沢聡子 〔協力〕 世界で5本の指にはいるイスラエル・フィル。迫害から逃れてきた演奏家たちがいかにして楽団を作ったか、前線の砂漠でのコンサート、建国前の熱狂的なユダヤ人顧客の様子など様々なエピソードによって他のオーケストラにないそのユニークな誕生の歴史をつづります。 トスカニーニ、バーンスタイン、ズービン・メーターなど世界的な指揮者たちとイスラエル・フィルの緊密な関係の秘密が語られています。 ――目次―― はじめに オーケストラ誕生まで オープニング・コンサート 一九三〇年代のパイオニアたち ワイスゲルバーとフーベルマンの夢 オーケストラ創設の計画 オープニング・コンサートを前に コンサートを伝える新聞記事から 熱狂する市民たち フーベルマンのメッセージ シオニズムとパレスチナ交響楽団 オーケストラの生みの親フーベルマン 天才少年 ユダヤ人の運命を予感して 几帳面なフーベルマン テンポにうるさいフーベルマン 草創期を彩るエピソード ある日のオーディション サルタレロを踊ったトスカニーニ アラブ人の攻撃目標になった指揮者? フーベルマンの思い出 客席の椅子も自分たちで並べた 犬が一役かったはなし 騒音をとめるのとひきかえに どうぞ、チップの代わりにチケットを 屋根の上で聴く 最初の海外公演、戦争、そしてイスラエル・フィルに エジプト公演 苦しかった第二次大戦中 戦後のオケを救ったベツレヘムのマリア パレスチナ響はイスラエル・フィルに 定期会員の思い出 ベエルシェバの戦いの日 ビルケナウ収容所での約束 嫁入り道具代わりの定期会員券 皿洗い係の兵士の思い出 イスラエル・フィルの思い出の指揮者 代役でデビューしたトスカニーニ 政治家になろうとしたトスカニーニ ムッソリーニと対立 トスカニーニの死 この帽子には頭がない 果樹園の地主になったトスカニーニ トスカニーニ讃 「エレミア交響曲」で登場したバーンスタイン 砂漠で「ラプソディ・イン・ブルー」を弾く バーンスタインも代役でスタート そのデビューは衝撃的だった マン音楽堂の建設 フレデリック・マンの一言で決まった イスラエル・フィルも財政に参加 フーベルマンの夢に近づく 現代の指揮者、ズービン・メーター イスラエルが気に入ったメーター メンバーはいつも音楽を楽しんでいる 危機のときにこそ音楽が必要なのだ 個性的で目覚めた楽団員たち ワーグナーとR・シュトラウスへの複雑な思い メーターがワーグナー作品を演奏しようとしたとき タブーがとかれたR・シュトラウス イスラエル・フィルの使命と現状 イスラエル・フィルの使命 厳しいオーディション 室内楽を演奏する喜び プログラムが決まるまで おわりに 世界のオーケストラ誕生の歴史 イスラエル・フィルとの出会い あとがきに代えて